2016年1月29日トヨタ自動車より発表された「ダイハツ工業完全子会社」のニュースが世間を賑わせています。ダイハツを子会社にしたトヨタは世界一の座を揺るぎないものとするべく・・・

って、もともとダイハツはトヨタの子会社だったじゃないか・・とお考えの方多いと思います。今日はちょっと先の話まで見据えて最強トヨタの世界戦略をについて書いていきたいと思います。

 

そもそもダイハツ完全子会社化って意味あるの?

両社のIRによれば、国内についてはトヨタの販売網やノウハウを活かし、ダイハツのブランド力、販売力の強化を図る狙いがあるようです。一方で新興国市場では、安価に小型車を作るというダイハツのノウハウとトヨタの資金力を活かし、さらにシェアを伸ばすということです。

まあ実際には、後者で挙げた新興国市場が最大の理由でしょう。販売台数世界一という最強の称号を手にしたトヨタがさらにその上へいくために、従来の状態では難しいとの判断がトヨタ上層部にあったのでしょうか。

ダイハツの資金力だけでは今の市場の成長スピードについていくのは心もとないですし、かといってトヨタの弱点である小型車セグメントでは、スズキや外資メーカーなどの安価な車に太刀打ちできない。

ダイハツのノウハウを使い、新興国市場への拡販をトヨタの資金力で後押しすることにより、トヨタ帝国の盤石な体制を築きたいという思惑が見え隠れしていて、トヨタもいよいよ本気で新興国市場攻略に乗り出してきたという印象です。

 

トヨタが狙うはアジアの覇権

今後、世界の経済成長を考えていくと、直近の経済成長の鈍化はあれど中国には、まだまだ大きい伸びしろがあります。

また、世界第2位の人口約13億人をかかえるインド、年間販売台数300万台を超え中国、アメリカ、日本に次ぐ大きな市場となってきています。伸びしろを考えれば日本を抜かし世界第3位の市場へ成長する日はそう遠くはないでしょう。

さらに、約2億5千万人もの人口を誇るインドネシアを筆頭に、約1億人のフィリピン、約9千万人のベトナム、約7千万人のタイ等と、域内に約6億人の人口を抱えているASEANもここで終わることはないでしょう。

ということで、アジア圏は伸びしろが大きい地域です。さらに、欧米系メーカーに対して、日系メーカーの方が地の理があるという意味では、ここは絶対に落とせない市場と見えます。すでに大きなシェアを持つ中国、ASEANに強いダイハツを手に入れた以上、この2つの市場は粛々と拡販していくことになるでしょう。つまり、残る最大の難所インド市場をどのように攻略するかがトヨタ最大の悩みの種ということになります。

 

って言っても、トヨタだよと思っているそこのあなた・・・。まあ、実際にどんなものなのかみて下さい。以下の表は、2015年インドの販売台数順位です。

順位 メーカー 2015年 シェア 前年比差 前年比率
1 マルチスズキ 1,289,128 37.60% 137,000 11.89%
2 現代 476,001 13.90% 64,530 15.68%
3 タタ 450,024 13.10% 5,745 1.29%
4 Mahindra 382,777 11.20% -7,864 -2.01%
5 ホンダ 202,403 5.90% 22,587 12.56%
6 トヨタ 139,819 4.10% 7,041 5.30%
7 Ashok Leyland 117,818 3.40% 33,541 39.80%
8 フォード 77,715 2.30% 518 0.67%
9 ルノー 53,847 1.60% 8,998 20.06%
10 VW 43,163 1.30% -1,052 -2.38%

あの、世界最強のトヨタが第6位といかにインドで弱いかがわかるかと思います。ちなみに、この年のインド全体の販売台数が340万台であり、さらに市場全体としては7%超えの成長しているので、いかにインド市場に苦戦しているかが分かるかと思います。

そんなトヨタの次の布石として浮上してくるのが、インド市場で圧倒的シェアを持つスズキとの提携話です。スズキと提携し、インド市場も手中に収めることができたのならば・・・、もはや世界一のトヨタは揺るぎないものになるでしょう。

というわけで、巷でもスズキ提携の噂が良く聞かれるわけです。実際に、スズキはVWとの提携解消後、新たなパートナーを探していると言われています。過去スズキの危機に対して2回も救済しているトヨタとの提携ならば、自然な流れです。GMとVWという自動車業界の巨人とうまくいかなかったスズキとしては、残っているのはトヨタぐらいではないのか・・・

このトヨタとスズキの提携話は、両社ともIRにて否定していますが、これが実現するかどうかで、自動車業界の今後の展開は大きく変わってくることになるでしょう。

 

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