好景気に沸いている北米圏を横目に、世界では不況の波がすぐそこまで押し寄せているという歪な構造が今の世界経済です。中国の景気減退はセンセーショナルに報道されていますが、他にも原油安でアラブも危機的状況、東南アジアや南米も停滞、ヨーロッパもぱっとしないし、日本はアメリカ頼みといった形で、北米景気が唯一の頼みになっています。

そんな中、アメリカでは金融引き締め第一弾として、2015年12月16日に長らく抑えていた金利の引き上げを決定しました。アメリカの景気が失速するようなことがあれば自動車業界もただでは済まない・・、というか一番影響大きい業界かもしれない。

 

そもそも自動車業界はアメリカに依存度している?

下表は各国の2015年販売台数状況をまとめたものです。

2015年 2014年 前年比差 前年比率
アメリカ 17,470千台 16,522千台 948千台 5.7%
カナダ 1,898千台 1,851千台 47千台 2.5%
メキシコ 1,352千台 1,135千台 217千台 19.0%
日本 5,046千台 5,563千台 -517千台 -9.3%
中国 24,598千台 23,491千台 1,137千台 4.7%
インド 3,424 千台 3,180千台 244千台 7.7%
インドネシア 1,013千台 1,208千台 195千台 -16.1%
タイ 800千台 882千台 82千台 -9.3%
ドイツ 3,206千台 3,036千台 170千台 5.6%
イギリス 2,634千台 2,476千台 158千台 6.3%
フランス 2,297千台 2,168千台 129千台 6.0%
ロシア 1,601千台 2,491千台 -890千台 -35.7%
ブラジル 2,568千台 3,498千台 -930千台 -26.6%
アルゼンチン 644千台 687千台 -43千台 -6.3%

 

あくまでも自動車の販売台数情報だけですが、これをみると2015年は北米圏だけが好調だったとは言えない結果になりました。個人的には予想以上に欧州での販売も伸びてきています。東南アジアは苦しい状況ですが、中国やインドでは好調に推移しています。2016年は中国の減速の具合では油断できませんが、2015年については鈍化したといえ、成長している市場です。

繰り返しになってしまいますが、2016年を予測するうえで鍵になるのは中国です。中国の景気がさらに減速してくれば、規模からいって、本当に北米圏頼みになってしまうと予測されます。

 

いずれにせよ、北米の景気は永遠に不滅なのか?

北米圏がいつまでも好調というわけにはいかないですが、すぐに倒れられても困ります。先ほどの販売台数からはメキシコも好調でしたが、正直アメリカ次第といったところでしょう。

2016年1月29日に米商務省が発表した米GDP成長率(2015年10~12月期)は0.7%となりました。前期の2.0%から大きく減速しており、非常に心配されます。ただ、この減少は法人の投資減が主因で個人消費は2.2%増と、堅調な成長をしています。

直近は心配ないとは言え、個人消費の減退もそこまで迫ってきている印象をぬぐえない内容です。

一方で、2016年1月29日に日銀が発表したマイナス金利により、日本企業の投資が盛り返すことも期待され、またFRBも次の金利引上げ時期は慎重になっていることなど、このまま投資が減速していくのに対して、政府も黙ってみているわけではないので延命されることになると思います。2016年は大丈夫なのではないでしょうか。

 

今後警戒すべきは・・・

そんなこんなでまとめておくと、警戒すべき最大の鬼門は中国でしょう。中国が懸念されている通り、さらに失速してくれば、アメリカ経済も引っ張られることは避けられません。現状を見る限り、中国の崩壊をカバーできるだけの力強い成長が北米圏にあるとは思えないだけに、中国には敏感にならざるを得ないです。

さらに、東南アジア、南米、ロシア、ここらへんの国は停滞ではなく、もはや減退していますので、景気は悪くなっていると言えます。規模から言って影響は大きくないとは言え、アメリカ経済が堅調なうちに、新興国勢の景気が戻ってくるかが鍵になります。

ちなみに、日本企業においては、先ほど上げた日銀のマイナス金利政策で円安の流れは継続することが予想されます。メイドインジャパンで品質、コスト共に競争力のある商品が提供できるという意味では、かなり有利な環境になってきています。市場の成長以上に販売を伸ばしていくことを日本の自動車産業には期待したいところです。

 

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