自動車各社の上期決算が出そろいました。

結果から言えば、三菱自動車を除けば、各社好調な決算でした。

ということで、トヨタの上期決算を振り返ることで今後の自動車業界の展望を見ていきたいと思います。

売上 営業利益 純利益
2015年上期 14兆914億円 1兆5834億円 1兆2581億円
2014年上期 12兆9455億円 1兆3519億円 1兆1268億円

利益が1兆2千億強ということで、年間で2兆円超えるペースで稼いでいます。

さすが日本一の会社というところでしょうか。

売上も利益も前年度比で伸びています。ここは、為替影響も多少あるとは言え、それも実力のうちです。円安は日本のメーカーにとって追い風ですから、経営環境はかなり改善していると言えるでしょう。

3期連続最高益も見据えており、今年の自動車業界も盛り上がりそうです。

地域別売上推移

トヨタには、自動車事業の他、金融などの他の事業があります。

本業の自動車事業の売上は12兆8829億円となり、上記で紹介した全体の売上と数字がやや変わることは、ご了承下さい。

売上 利益
日本 7兆2221億円 (前年度5.4%増) 9582億円(前年度33.3%増)
北米 5兆5307億円(前年度22.9%増) 2753億円(前年度11.9%増)
欧州 1兆3093億円(前年度4.1%減) 302億円(前年度8.9%減)
アジア 2兆4410億円(前年度2.5%増) 2441億円(前年度14.7%増)
その他 1兆1848億円(前年度1.8%減) 668億円(前年度14.2%減)

トヨタは日本国内に多くの生産工場を残しており、全体で見ても非常に大きなボリュームを持っています。

当然、日本の売上には、海外への輸出も含まれており、為替益を大量に含んでいると予想されます。

同じような形で、生産工場の多くを残しているマツダや富士重は、非常に有利な経営環境になっています。

逆に、現地化を推進している日産やホンダにとっては、ややあてが外れた感じはあるかもしれません。

日本以外の地域を見ると、やはり北米が絶好調です。アジアについても成長鈍化などと騒がれているほど、悪いものにはなっていないです。

欧州やその他の地域では、やや勢いが衰えているようですが、もともと売上比率も大きくないため、影響は軽微で済んでいます。

地域別販売実績

作っても売れなければ意味がありません。各地でどれだけ車が売れているのかを見てみましょう。

9月30日までの半年間の販売台数を前年度実績と比べてみます。

14年 15年
日本 1,030,229台 984,397台 45,832台減
北米 1,395,105台 1,413,064台 17,959台増
欧州 414,217台 407,352台 15,192台減
アジア 754,818台 653,566台  101,252台減
その他 882,153台 819,628台 62,525台減

これを見ると、より今の状況がはっきりしてきます。

冒頭で為替影響も多少あるが好調だと書きましたが、実際には好調なのは北米のみで他の地域はすべて販売台数減という事態です。

売上増については、ほぼ為替影響によるものと言えます。ただし、利益改善については、売上の変動率より大きく変化しているので、原価低減などの社内努力が影響していることが予想されます。

実際に、トヨタが長らく止めていた新工場建設先に選んだのもメキシコでした。明らかに北米市場をにらんだ展開です。

今後、北米市場が自動車業界にとって生命線になるのは間違いなさそうです。

全体総括

トヨタ単体でみれば、想定レートは118円とまだ若干円安に振れる要素があることや、国内やアジア市場には新車投入効果による巻き返しの期待などが残っており、悲観する内容ではないです。

ただ、自動車業界全体で見ると、北米頼みになりつつある今の市場環境は非常にリスクが高い状況と言えます。

アメリカでは金融緩和の出口を模索し始めている側面もあり、北米市場がこの調子で成長し続ける保証もないです。

自動車業界は、今回の決算ほど状況はあまり良いとは言えないです。

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