本田技研工業とは

自動車では世界でもトップ10に入り、バイクでは世界トップの名門企業です。有名な実業家、本田宗一郎により起業された同社はチャレンジ精神で有名な会社でもあります。そんなホンダの企業分析をしていきます。

会社概要

自動車とバイクの大手企業です。2輪は東南アジア地域、4輪は北米圏が収益の柱となっています。北米エリアは不安定な国際情勢などもあり、難しいかじ取りが求められていますが、新車効果などで着実に収益を伸ばしています。

強み弱み

強み

ホンダの強みはマーケティングの上手さにあります。トヨタや日産と比べて車種が少ない一方で、ヒット車となる確率はホンダの方が高いです。フィットや軽自動車での成功など、その時のユーザーのニーズを捉えて、自社のリソースを振り分ける思い切りの良さは他社にはない魅力です。

また、レーシング参入で有名になったホンダのエンジンなどで消費者に高いブランドイメージを定着することに成功しています。

弱み

逆にホンダの弱みは脆弱な組織にあります。自動車会社としてトヨタ、日産と肩を並べるBIG3となったのは最近のことです。新車立上げプロセスや組織体制などはまだまだ成熟していないところも多く、その点で原価的なロスも多くなっていることが容易に予想できます。ホンダは自前主義と言われており、トヨタや日産だと部品メーカーにやらせている領域をかなり内製化していやっています。それが強みの面もありますが、車両開発や次世代技術へリソースが割けない理由にもなっているので弱みの面の方が大きいです。

また、規模という点でトヨタ、日産と大きな差を付けられていることも弱みとなっています。次世代技術への投資額は膨大な額になるため、ホンダ単体では開発しきれなくなります。トヨタはダイハツ、スバル、マツダ、スズキと連携し、日産は三菱、ルノーと連携することで開発を加速させています。ホンダは自動運転技術ではGMと提携していますが、トヨタ、日産と比べるとまだ資金力や結束力には明らかな差がある状況となっています。

業績推移

売上、利益ともに上昇傾向にあります。営業利益率5%台で横ばいで推移しています。売上が大きいので利益も8千億という巨額になっていますが、製造業で利益率5%というのは低い水準で推移していることは注意が必要です。

本田技研工業の株価分析

基本スペック

株価:3,101円(19年4月26日終値)

時価総額:5兆6172億円

ファンダメンタルズ分析

・PER 7.48
・PBR 0.71
・ROE 8.76
・ROA 3.59

PERは7倍とかなり割安感があり、PBRも0.7倍と割安感があります。全体として株価にはかなり割安感があると言えます。また、ROEは8%台、ROAは3%台となっており資金効率の面でも悪くない経営指標となっています。

安全性分析

・自己資本比率 41%
・配当利回り 3.58%
・配当性向 26.78%

自己資本比率は41%なので財務健全性は確保されています。配当利回りは3.58%と上場企業の平均より高く設定されていますが、配当性向は26.78%とまだ増配余地がある配当水準です。内部留保も潤沢にできており、安全性は高いと言えます。

本田技研工業の車づくり

ホンダと言えばエンジンと言われるだけあり、エンジン性能は他社よりも良いものを作っています。また、Nシリーズ、フィット、オデッセイなど少ない車種ながらヒット車を多数量産しており、開発のリソースを集中して良い車づくりを実現できています。結果、高いブランドイメージを築き、高いリセールバリューを実現できています。

また、創業者である本田宗一郎のチャレンジ精神は今なお受け継がれており、ホンダの社員は新しいものが好きという社風に活きています。本田宗一郎の夢だったジェット機の開発などを実現するなど、他の自動車メーカーと比べても、非常に企業カラーが出ています。